“紛争ダイヤモンド”が近年問題となっていることをご存知でしょうか。
また、天然ダイヤモンドではない人工的に作られた合成ダイヤモンドがジュエリー業界で猛威を振るい始めています。
一生ものの婚約指輪や結婚指輪だからこそ、そこに飾るダイヤモンドが紛争に関係していないか、天然のダイヤモンドかにこだわることは大切な問題です。
今回はティファニーが原産地情報を公開しはじめた理由と紛争ダイヤモンドや合成ダイヤモンドについてご説明します。
Contents
ティファニーが原産地情報を公開する理由
20年間責任ある資源調達とダイヤモンドの製造工程に投資を続けてきたティファニーは、ダイヤモンドの製造の透明性を高めるステップとして、新たに調達したダイヤモンド(0.18ct以上のもの)の原産地域や原産国の情報を公開していくことを発表しました。
個別登録済みダイヤモンドのひとつひとつにレーザーで肉眼では見ることができない独自の“T&Co”シリアルナンバーを刻印して追跡し、調達先情報を顧客に向けて提供します。
原産地情報を明らかにする理由は“紛争と無関係なダイヤモンド” の調達の保障だけにとどまらず、厳格な責任ある資源調達を行なっていることを確約するためです。
2020年までに個々の製造工程の情報も公開し、これは業界初の試みとなります。
また、近年合成ダイヤモンドが猛威を振るっていますが、合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの貴重さを訴えるためにもこのような取り組みを始めたのです。
紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)とは?
紛争ダイヤモンドとは内戦地域で産出され、紛争当事者の資金源となってしまうダイヤモンドのことを言います。
紛争ダイヤモンドは“血塗られたダイヤモンド”“戦争ダイヤモンド”とも呼ばれています。
キンバリープロセスとは?
キンバリープロセスとは2003年の国連決議に基づく認証制度で、ダイヤモンドが紛争資金の提供となる可能性を減らすために、参入国がダイヤモンド原石を取引する際に、キンバリー・プロセス証明書という原産地証明書の添付を義務とする制度です。
しかしキンバリープロセスには2つの問題点があります。
1つはダイヤモンドの原石にのみ適用され、原石から加工されれば特別な追跡システムがなければ追跡が終了してしまいます。
もう1つは認証条件の狭さで、キンバリープロセスの対象は紛争ダイヤモンドの採掘と流通のみであり、採掘労働者の健康や安全といった労働者搾取の問題や採掘のために故郷を立ち退かなくてはならない住民についても対象とされていません。
以上の問題から、キンバリープロセスだから安心とは言えません。
キンバリープロセスは紛争ダイヤモンドと見分けるためのひとつの目安と考えるようにしましょう。
合成ダイヤモンドとは?
合成ダイヤモンドは人工ダイヤモンドと呼ばれ、人の手で作られた炭素の結晶のことを言います。
合成ダイヤモンドは化学成分や結晶構造などが天然ダイヤモンドと基本的に全て同じです。
そのため一見しただけでは天然ダイヤモンドと見分けがつかないのですが、何億年という時間をかけ成長して地表に到達し採掘される天然ダイヤモンドと違い、人の手によって数日〜数週間ほどで作られるため、その生い立ちの違いから識別が可能となっています。
ダイヤモンドは物質中最高の硬度・熱伝導性を有しているため、合成ダイヤモンドは工業や化学の広い分野で使用されていることはご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし近年、合成ダイヤモンドを使用したジュエリーが増えてきており、合成ダイヤモンドを使用したブライダルジュエリーも登場しています。
婚約指輪だからこそ確かなダイヤモンドを選ぶことの大切さ
ダイヤモンドがブライダルリングに飾られるようになった理由は、ダイヤモンドの性質に由来します。
ダイヤモンドは物質中最高の硬度とされており、希少価値が高く高価で、類を見ないほど美しい宝石です。
また、ダイヤモンドには愛を誓い合うふたりの絆を強める力が宿っていると信じられており、ダイヤモンドが持つ性質やパワーから、ブライダルリングに飾る宝石として相応しいとされたのです。
一生に一度の婚約指輪や結婚指輪に飾るダイヤモンド。
紛争の資金源となってしまうような血塗られたダイヤモンドを選んでしまわないようにしましょう。
また、価格が非常にリーズナブルで天然ダイヤモンドのような輝きであっても、合成ダイヤモンドではなく天然ダイヤモンドを選ぶことをおすすめします。
天然ダイヤモンドは採掘されるまでに何億年もの時間をかけて成長してきた奇跡のような宝石です。
そのパワーは合成ダイヤモンドでは得られないのではないでしょうか。
ダイヤモンドの仕入れルートが確かなブランド4選
(1)ティファニー
ティファニーのアレッサンドロ・ボリオーロCEOは、「消費者はダイヤモンドジュエリーがどこで産出されたのか、どのような流通ルートを経て手元に届いたのかを知る権利がある」と話しており、それを裏付けるように、ティファニーでは2019年1月よりダイヤモンドひとつひとつにレーザーで“T&Co”シリアルナンバーを刻印し個々の原産地情報を公開しはじめました。
責任あるダイヤモンド調達の一環として、ティファニーは新たに調達・登録されたダイヤモンド一つひとつの原産地情報を提供することに致しました。これはダイヤモンド調達の透明性における大きなステップです。ティファニーのダイヤモンド エキスパートは、ダイヤモンドの原産地または原産国を提供することができます。
2020年までに製造工程情報も公開する予定です。
(2)エクセルコダイヤモンド
世界一のダイヤモンドクオリティに評された「エクセルコダイヤモンド」 は世界最大のダイヤモンド原石供給元である“デビアスグループ”から原石の買付けができるサイトホルダーに認定されているため、確かなダイヤモンド原石を仕入れることができます。
買付けされた原石はエクセルコダイヤモンドで研磨され、カット証明書が発行されます。
エクセルコダイヤモンドが取り扱うダイヤモンドはすべてバージンダイヤモンドで、紛争ダイヤモンドでもリサイクルダイヤモンドでもありません。
世界No.1のダイヤモンドブランド*であるEXELCO。EXELCOが世界2000店舗で供給・販売しているのは、安心で信頼のおけるバージンダイヤモンドのみです。
リサイクルダイヤモンドやブラッド・ダイヤモンドは取り扱っていません。
(*…米国ダイヤモンドトレーディング調査会社IDEX社のブランド評価による)
また2019年7月から“ダイヤモンドジャーニー”という、原石からダイヤモンドを購入するまでの道のりを追うことができる新システムも導入しています。
(3)銀座ダイヤモンドシライシ
銀座ダイヤモンドシライシは、確かな品質のダイヤモンドを確実に仕入れるために、イスラエルのダイヤモンド取引所に現地法人“イスラエルシライシ”を設立しました。銀座ダイヤモンドシライシには現地法人に、ダイヤモンド業界で知らない人がいないと言われる有名な目利きのバイヤーがおり、一つ一つ確かな目で仕入れをしているのが特徴です。
イスラエルはキンバリープロセス制度に加盟しており、紛争ダイヤモンドが入ることのない仕組みができているため、イスラエルから原石を仕入れている銀座ダイヤモンドシライシはクリーンで高品質なダイヤモンドのみを取り扱うことができるのです。
(4)アイプリモ
アイプリモでは世界最大のダイヤモンド原石供給元である“デビアスグループ”傘下であり、世界で唯一のダイヤモンド専門研究機関“International Institute of Diamond Grading & Research (IIDGR)”の鑑定書が付属するダイヤモンドを取り扱っています。
IIDGRとアイプリモは、キンバリープロセスに基づいた高品質なダイヤモンドを提供したいという考えから、パートナーシップに至りました。
また、ブライダルリング やダイヤモンドを購入する際に、多くのジュエリーブランドが注目しているロシア産のダイヤモンドを選択することが可能です。
ロシア産のダイヤモンドにはロシア国営“クリスタル社”のシリアルナンバーが刻印されており、従来難しいと言われていた原産地証明が実現したのです。
まとめ
いかがでしたけ?紛争ダイヤモンドや合成ダイヤモンドへの理解は深まりましたでしょうか?
どのダイヤモンドでも最終的にはかけがえのない1つ。しかし産地や産出の仕方を知ることにより、選び方が変わるかと思います。
婚約指輪や結婚指輪に欠かすことができないダイヤモンド。
愛や絆の象徴であるブライダルリング のダイヤモンドですので、紛争に関わっていたり人工的に作られたものを選ばないためにも、仕入れルートが確かなブランドを選ぶことをおすすめします。
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